GGJ初参加学生にむけたTIPSそして私的ふり返り

伝説のゲーム「はげピッ!ピッ!」の開発に参加した津田良太郎君(神奈川工科大学の現役学生)のブログで、「GGJ初参加学生のためのFAQ」というエントリが公開されました。

エンジニア志望の学生で、ゲームジャムに初めて参加するなら絶対に読んでおけというくらい、きれいにまとまった内容になっています。

特に会場選択のところで「変にプロ中心のチームにまじって何もやることがなくてさみしい思いをする」よりも「学生中心のチームで同世代のスゴい奴らにふれて触発される」のがオススメ(超意訳!)という指摘は、なるほど学生ならではの視点だなーと勉強になりました。

*もっとも普段から学生中心のゲームジャムに良く参加していて、一回プロのすごい技術を見てみたい、などのニーズもあるかと思うので、そこは自分のスキルや経験にあわせて会場を選択してください。

また「役職で迷ったらプログラマと書いておいて、現場ではプログラムもわかるゲームデザイナーなどで汗をかくのがオススメ」というのも鋭い指摘ですね!

実際問題として、まだまだゲームジャムではプログラマの参加率が多いのが現状です。そのためプログラマだけどグラフィックを描く、サウンドを作る、なんて事態は普通にあります。そんなときも技術がわかっていると、無駄なく作業が進められて重宝されます。

プロのエンジニアですら「初めてドット絵を描きました!」「サウンド担当になったけど楽器とかツールとか触ったことがないので、みんなで歌を歌ってWAVファイルに録音しました!」なんてのが普通にあるのがゲームジャムです。普段できない役職に挑戦できるのがゲームジャムの醍醐味なので、ぜひ自分の殻をやぶってみましょう!

といっても、エンジニア以外(特にゲームデザイナー志望の初心者)は、ゲームジャムで何をしたらいいんでしょうね……ちょっと不安になりますよね? そのため、ざっと書き出してみました。

・企画会議でのアイディア出し(初日)
・ゲームルールなどの決定(初日)
・進行管理(終日)
・制作するグラフィック、サウンド素材のリストアップ(初日)
・使用するフリーのグラフィック、アセット、音源素材などの検索(終日)
・レベルデザイン(二日目〜三日目)
・デバッグ(三日目)
・ゲーム内テキスト、背景資料などの作成(終日)
・発表用のプレゼン資料作成(要所)
・GGJ公式サイトへのチームメンバーの登録、管理(終日)
・Twitter、facebbokなどでの進捗状況発信(終日)
・GGJ公式サイトへのゲームアップロード(三日目)
・買い出し、雑用など(終日)

ちなみに自分(小野憲史)もゲーム開発については、まったくの初心者ですので、最初のうちは慣れませんでした。

初めて参加したのはGlobalGameJam2012で、その時の体験はスライドにまとめています。

この時はチームメンバーが3人で、プログラマ、アーティスト、自分とばっちり分かれていたため、ゲームデザイナー兼チームリーダーをやっていました。ただ、言語がJavaScriptだったので、自分が直接エディタなどを触ることができず、プログラマさんに対する指示だしに徹していました。そのため1回指示を出して、形になって返ってくるまで時間がかかるため、その間は雑用をバリバリとこなしていました。

一番開発に参加したなーという実感があったのは、その次に参加した福島GameJam2012ですね。この時もHSPでの開発でしたが、メインプログラマの方がテキストファイルで設定できる簡単なレベルエディタを作ってくれました。そのため二日目の夕方から三日目にかけて、バリバリとレベルデザインができました。

しかも、このレベルエディタが簡単にメインプログラム上でテストできる優れモノだったので、作っては修正し、作っては修正し・・・というループを一人で回すことができて、とても楽しかったですね。手の空いたチームメンバーもみんなレベルデザインに回ることができたので、ステージの量産も可能でした。あらためて開発環境の構築って大切だなーと実感しました。

直近で参加した福島GameJam2015では、たまたま事前にスイス人のサウンドデザイナーがゲーム作りに参加したいとFacebook経由で連絡があったので、必用な音素材のリストをすべて発注して、メールベースでファイルのやりとりをしていました。それだけだと時間が余るため、開発中のプロセスを記事にして発表しました。怪異初チーム専属の宣伝・広報活動をしていたというわけですね!

あと、これ以外にも参加したすべてのゲームジャムで発表用のスライド資料作成、GGJ公式サイトまわりの管理、雑用、デバッグなどをしています。また、会場運営の手伝いなども随時行っています。

また、このように短期間で1本のゲームを作る経験ができたことで、ゲーム開発に関する理解が大変深まりました。こうした経験は自分の仕事にも大きく役立っていますし、これからゲーム作りについて学んでいく上でも、すごく糧になると思います。

というわけで、GGJに参加しようか否か迷っている非エンジニアの学生がいたら、ぜひ思い切って飛び込んでみてください。ゲームジャムの根底に流れる精神は「挑戦」ですので、このチャンスをうまく活かしてくださいね!