GlobalGameJamでは毎年、会場運営者むけにビデオキーノートの動画ファイルが配布され、開会式で再生されるのが恒例となっています(国内会場向けに日本語字幕も作成されます)。2016年も素晴らしい2名のスピーカーが発表されました。
最初のスピーカー、Siobhan Reddyさんは「リトルビッグプラネット」「テラウェイ〜はがれた世界の大冒険〜」で知られるイギリスの開発スタジオ、メディアモレキュールのスタジオディレクターです(同社は現在PS4で新作「Dreams」を開発中です)。「リトルビッグプラネット」はGDC2007のSCE基調講演で発表され、当時はインディの星として一躍注目を集めました。同社はラピッドプロトタイピングを中核に据えた開発スタイルを採用しており、おもしろさと共同作業を中核に据えた彼女と同社の方針は、GlobalGameJamの「Innovation, Collaboration and Experimentation.(革新性・協調性・実験性)」というスローガンにもぴったりです。
もう一人のスピーカーであるRamez Naam氏は、GGJのキーノートスピーカーとして初の非ゲーム業界関係者です。マイクロソフトでインターネットエクスプローラーやアウトルックの開発に携わったNaam氏は、サイエンステクノロジスト&SF作家として知られており、代表作には「The Nexus Trilogy」として知られるSF三部作や、最先端テクノロジーの動向を扱ったノンフィクションの「超人類へ! バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会」「The Infinite Resource: The Power of Ideas on a Finite Planet」があります。中でも「超人類へ」は新しい技術が人間の進化に及ぼす影響や、科学の進化が私たち自身をどのような新しい世界に導いくかといったテーマを扱っており、欧米圏で高く評されています。
*短編「水」の邦訳がSFマガジン2014年11月号に掲載されています。
こちらは2015年度のキーノートビデオです。2016年はどういった内容になるか楽しみですね。