GGJの会場設立には「既存のコミュニティがあり、普段の活動の流れで開催した」パターン(札幌会場のKawaz)と、「誰かが思い立って開催をぶちあげた(多くがこちら)」パターンがあります。後者だと一過性のイベントになりがちなので、できれば前者のようにGGJをきっかけとして、コミュニティ活動へと進んでいければいいですよね。まさにその方向に進もうとしているのが沖縄会場です。
会場を主催したのはIGDA琉球大学のメンバーです。IGDAにはプロフェッショナルがチャプターリーダーをつとめる地域支部(IGDA日本など)と、大学単位で設立され、学生によって運営が行われるアカデミック支部があり、IGDA琉球大学は後者のパターン。GGJを大学で開催することを目的の一つとして、同大学の大学院生らにより、2014年に設立されました。
参加者数は49名で、琉球大学の学生に加えて沖縄国際大学、県立芸大、KBC、IDAの両専門学校からも参加。一人だけでしたが美来工科高校の高校生も参加しました。さらに県内だけでなく内地からのプロのゲーム開発者も参加。ユニティからも2名のスタッフが技術サポートに訪れました。特に学生中心ということで参加者層が全体的に若く、半分以上がGGJ初心者! また芸大や専門学校生も加わり、グラフィッカー(そして女子)率が他の会場に比べて高かったのも印象的でした。もう一つ、沖縄会場では冒頭でユニティの発案により、企画会議を兼ねたアイディアソンも行われました。アイディアソンの概要は下記の通りです(詳細はスライドを参照)
- アイディアシートにテーマに即したキーワードをチームで記入
- 他のチームのメンバーとアイデアシートを交換しながら感想を聞く
- 感想をもとにチームでディスカッションし、企画シートを作成
- 企画シートを集めて参加者全員で投票を行い、それを参考にしながら各チームでゲームを開発」というものです。
ふつう、GGJではテーマに即して企画会議を行うところから開発がスタートします。しかし、ゲームジャム初心者が多い場合は、なかなか企画が絞り切れない場合が多いのも事実。こういったアイディアソンと組み合わせて運営するというのも、一つんもアイディアかもしれません(同じような取り組みは福岡会場でも行われていました。これについては別のエントリで紹介します)。
IGDA琉球大学はこれからもゲームジャムや勉強会を開催していって、学生の立場からプロと交流できる機会を増やしていきたいと語っていました。一方でプロの開発者からは「通常業務が忙しすぎて、コミュニティの運営まで手が回らないため、学生中心で回してもらえれば嬉しいし、サポートは行っていきたい」という声も聞かれました。ぜひ、ますます活動が活性化することを期待しています!