ハワイ会場のスタートと共に公式サイトで今年のテーマが公開となりました。はじめて見た時、皆さん「なんじゃこりゃ〜!?」と頭を抱えたのではないでしょうか。日本だけでなく全参加者にとって、これは同じ思いだったようです。Twitterなどでも賛否両論が巻き起こっており、これはこれで一定の成果が上がったように思います(ハッシュタグ#ggj14 themeなどで検索してみてください)。
2009年からスタートしたGGJでは、全参加者が同じ条件でゲームを開発できるように、次第にテーマが言語に依存しないものになっていきました。過去のテーマを再度、チェックしてみましょう。文章から単語、そしてイメージやサウンドなど、次第に直感的なものになっていったことがわかります。
2009 “As long as we have each other, we will never run out of problems.”
2010 “The rain in Spain may falls mainly on the plain” & “Deception”
2011 “Extinction”
2012 Image (ウロボロス)
2013 Sound (心臓の鼓動音)
一方でテーマがノンバーバル(言語に依存しないもの)になるにつれて、完成したゲームがみんな似通る傾向がみられるようになっていきました。たとえば2011年の”Extinction”(消火、鎮火/終息、死滅、絶滅/断絶,廃絶)では、なぜか海外でゾンビゲームが大量に登場した・・・といった具合です。そのため今回のテーマ設定については、かなり悩んだのではないかと推察されます。でも、おかげでゲームのバリエーションはこれまでになく増えそうです。とりあえず回りがどんなゲームを作るのか、興味ありますよね?
さて、公式サイトにも説明があるとおり、今年のテーマ”We don’t see things as they are, we see them as we are.”はフランス出身のアメリカの作家、アナイス・ニンの語録「私達は物事をあるようには見ないで、私達が在るように見ている。」から引用されています。wikiによるとニンは60年間以上にわたって記された大量の日記を出版されたとのことです。日記の内容は主観的なものなので、きっとそのことで多くの身近な人に衝撃を与えたり、賛否両論がおきたのではないでしょうか。そう考えると先の語録も重みを持って感じられますよね。
まるっとまとめると「物事の意味は見る人で変わる」という感じでしょうか? 思えばゲームの価値ってそういうもので、同じゲームを遊んでも、人によって「最高!」といわれたり、「クソゲー!」と言われたりしますよね。いやー、実に「GameJam」らしいテーマ設定ではなかろうか。そういえば日本には「藪の中」という芥川龍之介の有名な小説もありましたっけ。世界中でどんなゲームが作られるのか楽しみです。