いよいよ開催まで3週間を切ったGlobalGameJam2017。1月20日から22日まで全世界で開催される、ギネスブックにも認定された世界最大のゲームジャムです。
その中に渾然と出現したのが東京・秋葉原で開催される「電子デバイスGGJ」会場! なにより「電子デバイス」と「GlobalGameJam」という組み合わせが謎すぎます。公式サイトにはマイコンや電子基板の写真が掲載されており、まったくゲーム作りという雰囲気が伝わってきません。いったい、何の目的で開催されるのか。はたして48時間でどんな作品が作れるのか。会場を主催する工学社I/O編集部の藤井創編集長に取材を試みました。
12月17日にニコニコ配信された「ゲームクリエイターズクライシス」ライブ映像(左端が藤井編集長)でも電子デバイスGGJ会場についての告知がなされた
--よろしくお願いします。番組配信内で「I/Oはマイコンからはじまって、パソコンの記事、ソフトウェアの記事(ダンプリストなど)、最近ではハードウェアの記事がまた増えている」とのことでしたね。
藤井:そうですね。最近はやはり流行なのか、ArduinoやRaspberry Piに関する記事が多いですが、昔ながらのPICをつかったものや独自のボードを作る記事などもあります。
--最近のハードウェア系の記事で人気が高いものはなんですか? また初期のマイコンの記事と比べて、同じハードウェア系の記事でも、何か違いはありますか?
藤井:最近はロボット系が人気です。たとえば、「100円ロボット部」のように百均のアイテムとマイコンボードを使った工作記事が人気ですね。
--電子デバイスGGJ会場では、「V-Sido OS」で動作するロボットと制御用ボードが貸し出されるとのことですが、もう少し具体的な情報について教えてください。
藤井:「V-Sido」は今回、会場を提供していただいているアスラテックさんが開発されているロボット制御用のOSです。このOSと制御用ボードを使用すると、近藤科学さんのような個人向けロボットから水道橋重工さんのように人が乗れるような大型ロボットまでを制御できます。今回のGGJではロボットは貸出のみですが、ボードは提供予定です。参加者の方で動かせるロボットをお持ちであれば、持参されると使えるかもしれませんね。
--他にもさまざまな機材が提供されるとのことですが、どういったものがありますか?
藤井:弊誌でお付き合いのある企業様にお声がけして、7社様から11種類の機材やソフトウェアをご提供いただけることになりました。詳細は公式サイトをご覧ください。
--蒼々たる機材群ですね。いやーびっくりしました。
藤井:ありがとうございます。
--ただ、これらの機材を用いた開発は、おそらく大半のゲーム開発者にとってはじめての体験になると思いますが、いきなり触って簡単に開発できるものなのでしょうか?
藤井:いきなりは難しいかもしれませんが、Ichigojamのような初心者向けボードもあるので、コツをつかめば初心者でもできると思います。
--メーカーの方がサポートとして常駐したり、開発チームに参加したりされるといった予定はあルノでしょうか?
藤井:特にありませんが、konashiとKoshianをご提供いただくマクニカさんから、何名か見学に見えられるそうです。
--それにしても、完成品のイメージについてサッパリ想像がつかないですね(笑)。まあ、そこが魅力なのかもしれません。たとえばGGJ2016のテーマ「リチュアル(儀式、習慣など)」では、どのようなゲームを作ることができるでしょうか?
藤井:一番分かりやすいのは「神輿」でしょうか? 神輿を担いで、その動きで優劣を判断するとか(想像でしかありませんが・・・)。
--ありがとうございます。ちなみに会場は徹夜OKでしょうか? 仮眠室などはありますか?
藤井:徹夜はOKですが、仮眠室などはありません。
--完成したゲームはどのように公開されるのでしょうか?
藤井:おそらく、動画を撮ってアップロードすることになります。組み込み用のソースもあればそれもアップできればと思っています。
--全世界のGGJ参加者に、ぜひみてもらいたいですね。ちなみに参加する前に、各自が予習しておいた方がいい内容や、インストールしておくと便利なツールなどはありますか?
藤井:いくつかボードやハンダごてなどは用意していますが、それ以外は用意していないので、予め作るものが決まっているなら、それに必要なパーツや工具は用意しておいたほうが良いです。秋葉原が近いので、途中買い出しも可能です。
--たしかに。そこは会場の地の利ですね。ちなみに参加者のグループ分けや、機材の割り当てなどはどのように行われるのでしょうか?
藤井:通常のゲームジャムと異なり、グループは現地で好きな人と組む感じを想定しています。ただ電子工作なので、個別(一人)での参加が多くなるのではと思っています。
--ありがとうございました。その他、参加者にアピールポイントなどがあれば教えてください。
藤井:はじめての試みなので、いろいろ予想できない部分もありますが、みんなで作り上げて行く感じでワイワイ出来たらと思っています。もしかしたら東京ゲームショウのセンスオブワンダーナイトで高い評価を得た「Line Wobbler」のようなものも作れるかもしれませんね!
このように、藤井編集長の説明を受けても、まだまだ漠然としたところが多い電子デバイスGGJ会場の全容。しかし、まったくこれまでにない、エマージングなゲームジャムになることは確実のようです。まったく新しい経験にチャレンジしてみたい方は、ぜひ参加をオススメしてみてください。
なお、会場にはIGDA日本による会場横断ストリーミング中継の拠点も設置されます。会場見学もウェルカムですので、ぜひ遊びに来てくださいね!